お知らせ
抗体検査について@ワクチン接種って毎年必要??
毎年ワクチンを接種する必要あるの?
3年に1回でいいというウワサも聞いたことがあるけど、、、
『予防医療の最先端(?)』である抗体検査について解説いたします。
ワクチン接種の頻度を減らせる可能性があります。
抗体検査とは、危険な病原体から身を守るために接種しているワクチンから作られる抗体が体内にどれくらいの量が残っているのかを確認する検査です。
今回説明する抗体検査とは、犬の混合ワクチンに含まれるコアワクチンと言われる部分の抗体の検査です。
コアワクチンとは、致死率の高い病気に対するワクチンであり、高い予防効果が認められているため、すべての動物に接種が必要とされているものをいいます。
抗体が一定水準以上残っていればワクチンを毎年接種する必要がなくなります。
難しい話は後にして、まずは以下の図をご覧ください。
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最初から驚きの文章が出てきました。
世界小動物獣医師会(WSAVA)が提唱しているワクチンプログラムには「3年間で6.2%の個体の抗体が維持できなくなる」との記述があります。
逆に言うと「93.8%の個体が3年間抗体を維持できている」ということです。
それでは「毎年のワクチン接種は何だったんだ!?」となるかもしれませんが、それが間違っているわけでもありません。
高い確率で病気からの予防を考えたら正しいことです。
しかし、個人の価値観によっては6.2%が大きい数字なのか小さい数字なのかは違います。
そこを無心に毎年接種するのはいかがなものなのかということになります。
小さい数字と感じるのであれば3年に1回の接種で問題ないわけです。
大きい数字と感じる場合は、抗体検査をしない限りは十分な抗体を維持できているのかは分かりません。
6.2%は抗体を維持できていないわけですから。
したがって、分からないから毎年接種するのか、抗体検査をするのかという選択になります。
ここで判断の基準になるのがワクチン接種の身体への負担です。
アナフィラキシーショックを含むワクチンの副反応と言われる現象は犬では0.49%(日本小動物獣医師会調べ)と言われています。
およそ200頭に1頭は発症しています。
また、副反応が起きなくてもそもそもワクチンは異物です。
病原体に対する免疫力を得られる以外に身体に良いものであるはずがありません。
これをどこまで気にするのかになります。
完全に個人の価値観に左右されます。
全然気にならないよ!というのであれば毎年のワクチン接種で何ら問題はありません。
やっぱり気になる、、、というのであれば極力ワクチンは接種しないに越したことありません。
そこで抗体検査の出番となるわけです。
さらに気になる文章を世界小動物獣医師会(WSAVA)は提示しています。
3年に1回のワクチン接種で十分と言っているわけではありません。
3年以上に1回のワクチン接種と言っています。(完全に6.2%は小さい数字とみなしているのは気になりますが、、、)
これはどういうことかと言うと、抗体を一生涯維持できる個体もいるということです。
毎年のワクチン接種が悪いというわけではありませんが、そもそもほとんど必要がない可能性もあるのです。
ちなみに当院では昨年から抗体検査を導入しましたが、検査した個体の100%が抗体を維持できていました。
抗体検査を検討するには十分な情報と言えないでしょうか?
猫に関しましては3種混合ワクチンの内訳に毎年接種が必要なものと3年以上に1回の接種が推奨されるものが含まれています。
猫の最低限のワクチンが3種混合ワクチンしか選択肢がないため、抗体検査をする意味がないので確立されていません。
オーダーメイドのワクチン接種については次回『身体に負担の少ない最小限のワクチン接種とは』で説明いたします。
当院では身体に負担の少ない獣医療を推奨しております。